太陽の黒点

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便座に腰掛けながら宇宙のことを考えている。ふと便所の天井を見上げるとそこには太陽のような電球が。理科の教科書で見覚えのあるそれ、ソレイユ。よく見ると蟲の屍骸がいかにも黒点のようだ。広大な宇宙と狭小な便所を往来しながら考える。二種の黒点は太陽と電球、つまり平面的に見ればただの幾何学的な図形に個性を与える重要な存在かもしれない。太陽に局所的な熱量の差があること、自転する球体であることを観測できたのは、黒点のおかげである。照らす以外の壮大なインスピレエションを与えてくれたのは、屍骸のおかげである。黒点は個性だ。人のホクロは個性だ。目尻の下にあるのが大変よろしい。口元にあってもセクシーだ。黒点は潔癖な人にとってある種ノイズのようで、消しゴムでこすりたくなる存在。邪魔でしようがない。けれどあきらめたほうがいい。私たちにできることは途方に暮れるか、整形外科に足を運ぶしかない。あきらめようかな。お金ないし。受け入れてみようかな。個性なんだし。自分という存在を他者と識別するための必要不可欠なアイデンティティ。

そんなことを考えながらお尻に紙をあてる土曜の昼下がりお腹下し。あーすっきりした。