パーマカルチャーを体験して自分なりにまとめてみた

農業やエコライフといったキーワードに興味がある人は知っているかもしれません。

きっかけは 「Think the Earth プロジェクト」

東京に行く機会があったとき友人に声をかけてもらってThink the Earthプロジェクトのイベント「EARTHLING 2011 地球人大演説会」に参加したのがきっかけです。地球的視野をもちながら活躍する著名人が登壇し、プレゼンをされます。

どの方のプレゼンもとても興味深くて引き込まれたんですが、その中で写真家 / コミュニティデザイナーの磯山ゆりさんの写真に目が留りました。といいつつ今となってはうろ覚えなんですが…たしか水辺で人が写っていて、それがとても美しく見えたんです。

そこはオーストラリアのクリスタルウォーターズという名前で、パーマカルチャーエコビレッジとのこと。その当時は横文字ばかりでよく分かっていませんでしたが、何となく気になりました。まさか後にこの地を訪れることになるとは…

Permanent + (agri)Culture = Permaculture

permanent(永続的な)、agriculture(農業)またはculture(耕作・文化)からの造語で、循環型の農的ライフスタイルに関する考え方です。土地や気候の変化に合わせ、エネルギーや資源を大切に使い、動植物の相互作用をうまく活用するデザイン体系。オーストラリア出身のビルモリソンとデビットホルムグレンが名付け親。

自然の関係性に注目する。

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Copyright Rainforest Alliance

鶏のインプット、アウトプット、活動

鶏は水、酸素、餌、砂利、仲間を必要とし、二酸化炭素、熱、糞、羽毛、卵、肉、を出したります。そして地面を掘り返したり朝方鳴いたりします。それらインプット、アウトプット、活動を他の生物に対してうまく活用することで、全体として相互補完的な関係を結ぶシステムデザインがパーマカルチャーの考え方だと思います。

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良い影響を与え合うコンパニオンプランツ

例えばトウモロコシとマメ科植物は、互いに好影響を与えるコンパニオンプランツの関係。他にもトマトとバジルなど、料理してもお似合いの植物は一緒に育てたくなります。

生物多様性がもたらすエコシステム

日本にいるとき、たまたま生物多様性展というカンファレンスに立ち寄ったことがあるんですが、いま一つピンと来ていませんでした。「○○の地域にはこんな貴重な生物がいます。」「私たちは○○を守るために清掃活動しました」今の自分ならもう少し違った捉え方ができたんだろうなぁと、過去を振り返って思います。

例えば滋賀にある「針江生水の郷」。澄んだ水を村内で使う川端文化の残る地域です。ここの水は水草や鯉が浄化するエコシステムになっています。下流の人に迷惑がかからないよう、上流の人は水を汚さないように心がけます。食べ終わった食器は水につけ、食べあとを鯉が片付けてくれる。

他にもパーマカルチャーにインスピレーションを与えた自然農法や合鴨農法、土地をうまく利用した棚田など、日本人は自然とうまく付き合って暮らしてきたということを、はっきりと認識することができました。そして地元にもそれらの知恵の多くが残っていることをありがたく感じます。早く地元に戻ってより深く理解していきたい気持ちですが、残り限られた海外生活をしっかり消化することにつとめようと思います。

多種多様な生物がうまく調和してセッションを作る。それが地球でそれが美しいものだなんて素晴らしすぎると思います。

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パーマカルチャーの倫理は3つ。

  • Care of Earth 地球への配慮
  • Care of People 人への配慮
  • Return of Surplus 余剰の返還

Crystal Watersでのパーマカルチャー体験

暮らす場所や人によって取り入れ方は様々

せっかくオーストラリアにワーホリに来たので、パーマカルチャービレッジとして有名なCrystal Watersの人にコンタクトをとり、パーマカルチャーを実践している3件のお宅にWWOOFという形で滞在させてもらいました。WWOOFとはWilling Workers On Organic Farmの略で、働く代わりに宿泊や食事を提供してもらうことができます。それぞれ地形が異なり、アイデアや考え方が違うので異なったデザインになっていました。

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それぞれにデザインは異なっていても、どのお宅もエアコンが無く、それでいて家の中は涼しくできていました。さすがにヒートウェーブと呼ばれる40℃超の熱風が吹いた日は暑かったですが…日本ほど湿度が高くないのもありますが、家の立地や屋根の角度、樹の影をうまくデザインしていたようです。

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木を育てるのが好きな人、保存食作りが得意な人、日陰で読書が好きな人、最新のコンポストトイレに力を注ぐ人など、それぞれの暮らし方に合わせたデザインの形がありました。

自分の暮らしをデザインする

個人的にとり入れたいと思ったのは、毎朝鶏に餌をやり産んだ卵をいただく、調理中にちょっと庭にでてハーブや野菜を収穫できる小規模な菜園を作る、きれいな水辺で野菜を冷やしたり泳いだり涼んだり。

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そんなことを考えると自然と食べ物や料理にも興味が湧くようになりました。限りある食材をいかに美味しくいただくか。パーマカルチャーという括りに限らず大事なことだと思います。まずは畑始めるところからかな。

Permaculture Design Certificate 取得。

Crystal Watersでの約2ヶ月間のWWOOF生活は本当に充実していました。エコビレッジということでマーケットやアートなどのコミュニティ要素もあって、田舎で孤軍奮闘するような感じではありません。せっかくパーマカルチャーの経験をしたので資格も取っておこう。そう思い立ちCertificateを取得することにしました。2週間の研修を受けることに。行き先はド田舎のKin Kinという土地。なんとテント生活。初日から大雨洪水強風の被害にあって一睡もできず波乱の幕開けとなりましたが無事にPermaculture Design Certificate 取得。めでたしめでたし。

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あまりにも多くのことを体験して、このブログにも書ききれません。細かく気になった人はパーマカルチャーの本があるので、そちらを参考にされてみてください。